生まれ変わりの謎と バースマーク
「ひょっとして、今の自分は、生まれ変わって現世を生きているのかな?」
「もしそうなら、自分の前世(過去生)は何だったんだろう?」
「自分にある生まれつきのアザ=生まれ変わりの証拠?」
皆様、人生の中で多少なりとも思い描いたことがあると思います。
「生まれ変わり ・リインカネーション/Reincarnation・転生(輪廻)……」etc.呼び方は種々あれど、この概念は文化という枠を超え世界各国に存在しています。
しかし「人生は一度きり。『私』という存在は『私自身』ただ一人。」という概念も同規模で共存しています.。
「どちらの概念が正しい・あるいは誤りである」などという、単純な白黒をつけたい方々が着地点を求めるにはあまりに大きいスケール(多分何百年〜何千年規模の単位)のテーマ。
少なくとも巷の「過去生占い」で「あなたは前世、中世フランスの中流階級貴族でした。身分違いの恋に破れて身を引き、独身のまま生涯を終えました。」などと、もっともらしく結論づけられるようなものではないかと。(占い関連も何度かチャレンジしてみましたが、毎回結果がバラエティに富んでいる割に心の琴線に触れる感触がないと申しますか……複数回生まれ変わって記憶にないだけなのか、単に凄腕の方に巡り会えていないだけなのか……そこは不明)
そのような経緯から、ここでは根拠を解明すべく尽力されたイアン・スティーブンソン(Ian Stevenson)博士のバースマークに関する研究を交え「生まれ変わり現象は存在する」というベースで進行することにいたします。
@人は複数回生まれ変わる?
「人が生まれ変わる回数は、およそ20回」。
生まれてから大人になる過程だけに留まらず、社会に出て以降も、人は自身を取り巻く環境からあらゆることを経験・吸収し、成長し続ける生き物だな、と常々感じます。
しかしながら、年齢の近い者ばかりで構成される学校内など、まだまだ人生経験の浅い者ばかりの集団の中、理解力・判断力・行動力・統率力・発想力等の突出した明らかに人格形成の完成度が高い人物が、あなたの所属した場所にも必ずいたと思います。
ネコノヒゲ、大して目立った能力もない「その他大勢」のポジションですので、この「出来の違い」というものが不思議で仕方ありませんでした。
同じ位の時間しか生きていないのに、なぜ、ここまで個人能力差があるのか?
個々の育ったバックグラウンドを考慮しても、「生活環境」の一言では片づけられない疑問に対する答えが、
「実は生まれ変わっていて、以前も経験済み」
だとしたら?
日常の中で、過去「ああすればよかった……」と後から反省したり、「もう一度同じシチュエーションがあったら、今度はこうしよう」と思う出来事は大なり小なりあります。
ですが、今持っている人生経験をキープしたまま、別人格として新しい人生を与えられ、もう一度同じ状況に陥ったとしたら、あなたも、次は間違いなく対処できる自信ありませんか?
しかも、何度も生まれ変わってどんどんスキルアップしている人達が、所謂「出来のいい、世間でも評価の高い人達」もしくは「人徳のある人達」として同じ時代を生きているとしたら……玉石混淆の理由もうなずけます。
因みにイアン・スティーブンソン博士の研究によれば「人が生まれ変われる回数は、およそ20回」。
人生経験が1回目の方と20ターン目の方が、仮に現世の時間で1歳と20歳くらい経験差があると想定するなら……勝負になりません確かに。
RPGゲームやオンラインゲームの初回体験者と、やり込んだ方との違いにも、状況的に似ているかもしれません。
A生まれ変わりは、「未来から過去へ」もある??
「過去や未来に飛ぶ (=タイムリープ)」 → 生まれてから今までの経験値と年齢を継続した状態で、時間・空間移動
「生まれ変わる」 → 年齢+容姿を一旦リセットし、別人格として生を受ける
※積み上げた経験値が“0”にリセットされるのか、生まれ変わった時も保持できるのかは謎
ここでは「生まれ変わる」方のお話です。
映画やドラマ・小説などでも頻繁に題材にされる「生まれ変わる場所(=時代)」は、過去や未来問わず自由に設定されています。
しかし、「生まれ変わりって、本当にあると思う?」と個別に質問してみると、大半の方が「現在から未来に生まれ変わる」イメージを抱いているように思います。
これは「過去には戻れないのが普通」の世界に生きているため、自身が積んできた経験を元に「未来に続くのが順当」という意識が確立している影響が大きいのかもしれません。
それを踏まえた上で、思わず唸った二つ目の内容が、
「人の生まれ変わる時代は、必ずしも過去から未来の一方向に限定されるものではない」。
歴史に名を残してきた人物の中には、ご承知のとおり、所謂「天才」と称される方々が散見します。
時代背景に沿った発明・発見・主義主張なら「ああ、人間はこうやって少しずつ進化してきたんだな」という解釈も可能です。
しかし稀に、前後の脈絡なく突出した偉業(それも、随分後の時代になって、ようやく証明可能な位に図抜けたレベル)を成す人物もランダム出現しています。
(レオナルド・ダ・ヴィンチや、カリスマ軍師のようなイメージ?)
中には、主義主張が当時の時代には突飛すぎ、生前周囲にその意味を理解されず、不遇のまま生涯を閉じた方も見受けられます。
彼等の足跡は、「進化の過程」だけでは説明しきれない不自然なレベルで、時代の流れに全く沿っていなかったりします。
そう……まるで「未来から過去にタイムリープした人」のように。
しかし、偉人の経歴や生い立ち・両親や家族構成などは比較的オープンリーなことから、突然のタイムリープ現象のみで帰結させるのは少々無理が生じます(もしタイムリープが絡んでいたとしたら、それはそれで興味津々ですが)。
という事象から、「未来から過去に生まれ変わる人もいる」と解する方が自然。
しかも@のように、ある程度生まれ変わりの回数を重ねて、スペシャリストの領域に達した「選ばれし者(※どういう基準かは不明)」が、「過去」に生まれ変わり、歴史の流れを大きく変える特権を得ているとしたら?
……ただし、あくまで本人の意志ではなく。
歴史の流れを見極める強大な「何者か」の手によって、生まれ変わる場所や時期を操作されているとしたら?
「選ばれし者」である彼等を、「世界」という広い碁盤に打たれた「布石」のような存在として操る「何者か」の意図が、何処にあるのか。
凡人のネコノヒゲごときにはさっぱり推し量れませんが、囲碁の手を眺めるような角度から歴史を探るのも、また一興かもしれません。
もし、そんな事があれば……と仮定してのお話ではありますが。
B 生まれ変わりの証? バースマーク
「生まれ変わった証として、稀に、前世の死因に関わる痣を持って生まれてくる者がいる」。
注) 「痣」という表現は広範囲を指しており、この書籍で書かれていた「アザ(=母斑)」が、どの程度までの範囲を指すのかまでは不明です。
また、当時、読んだ本に関する記録を取っておく習慣がなかったため、現時点で書籍のタイトルはご紹介しかねますが、引き続き探しておりますので、判明し次第ご紹介いたします。
↑ 判明しました。話の元になったのは「生まれ変わりの刻印」という書籍です
内容が鮮烈で記憶に残っていますが、特に「前世で刀傷や矢傷を負って亡くなった場合、その箇所に三角形の痣を持って生まれ変わることが多い」の記述が目を引きました。
刀傷や矢傷が前世の死因なら。
……戦場の最前線で、無念にも討たれた武者だったのか。
……それとも、圧倒的な力の差に抵抗する術もなく、刃の錆と切り捨てられた大勢の民間人の一人だったのか。
色々興味は尽きません。
しかし、どんな種類・形状のアザであろうとも、前世の自分は何か成しえなかった事を心残りにしていて。
無念の大きさ+言い分の正当性が認められ(誰にどう申し立てるかまでは分かりませんが)、他の人より優先的に生まれ変わっている。
その証として、周囲の人にも認識できる形でアザがある。
……バースマークとはそういうものだろうな、と考えさせられる内容でした。
生まれつきの痣に関して、「贖罪のために生まれ変わった」などと、まことしやかに語る方にも稀にいらっしゃいますが、この発言には今ひとつ説得力がございません。
そもそも「償うレベルの罪を犯した者」は、生まれ変わって「現世」に来るのに少し時間がかかります(※生まれ変わりの話 〜奇妙な記憶から〜参照)し、「生まれ変わり」は、実は多くの方々が経験しているものであるはず。
バースマークは、他の方より少しショートカットして現世に再来している目印に過ぎないのかな、とネコノヒゲは思います。
また、生まれ変わってきた回数の多い方々には、実はアザのような目印以外に、「自分と同じように転生を繰り返した者同士を判別できる機能」も搭載している可能性が高いです。
「罪を犯して生まれ変わった」などと発言している段階で、「あ、この人は、経験してきたはずの「生まれ変わり」のシステムを忘れてしまったのかな」と、分かる方には分かるのではないでしょうか。
生まれつきのアザや傷跡を持っていらっしゃる方々。
もし前世から現世に引き継いだ何かがあるとしたら、それは恐らく「贖罪」ではなく「無念」です。
遂行しきれなかった心残りなので、どうぞご安心ください。
(……「無念」を引き継いで「安心しろ」というのも随分ですけれども())
☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆
<おまけ>
何故ネコノヒゲアンテナがバースマークに反応して、分かったような風に断言しているかと申しますと。
……あるのです、これが。小さな三角形の、薄茶色の痣。
しかも、総頸動脈の真上と、心臓の真上という、今刺されても確実に致命傷の箇所に、同形・同サイズのが2個も()
もし仮に、ネコノヒゲが誰かの生まれ変わりだったとしても、残念なことに前世の記憶はほぼ残っておりません。(※前世が終わった後〜現世の3歳位までの記憶らしきものは今もあります)
バースマークの位置が前世の死因に関係している、という説に沿うなら、二箇所とも致命傷を負う場所なだけに、「生まれ変わっちゃう位、無念の死だったのか」と、なんとなく前世の自分に同情。
前世と兄弟感覚で「心残りが何だったのか、一緒に探してあげてもいいよ?」と、二人分の気持ちを背負っている気持ちで、現世を生きています。
根拠の示せないジャンルですので、あくまで想像・仮定の域を出ない話題ですが、それはそれで楽しい生き方ではあります。
……あなたは、「生まれ変わり」を信じますか?
関連書籍
ヴァージニア大学 イアン・スティーブンソン(Ian Stevenson)博士関連の書籍をご紹介します。
「前世を記憶する子供たち」(548頁)
1990年発行 日本教文社 訳: 笠原 敏雄
「前世を記憶する20人の子供」(715頁)
1980年発行 叢文社 訳: 今村光一
意外に思われるかもしれませんが、ネコノヒゲは「生まれ変わり」に対して、かなり懐疑的な見方をしている方だと思います。
なぜなら、その大半が、根拠となる裏付けを提示してくれない・又は提示できないからです。
しかし、「即『虚偽』」と極論を振り回す派でもありません。
ヒトが、物心ついた頃から周囲の大人達による希望的観測を耳にしたり、成長過程で吸収した外部からの情報を得、それらを自身の記憶として無意識に置換してしまっている可能性(=記憶の歪み)を払拭し切れない部分がありますので、そういった部分をクリアしているのであれば信頼に値すると考えます。
その点を、ネコノヒゲなどが思うより遥かに厳しい条件を課した上で、慎重に裏付けを重ねて検証した事例が詳細にまとめてあり、信憑性が高いです。
(現在ほどインターネットも普及しておらず、外部から雑多な情報が手軽に入手しにくい時代背景のもとで著されたことも、それを高めている材料の一つ)
他の方々が著した「生まれ変わり」の書籍や記事等にも、博士の提唱する「生まれ変わり現象」を基に探究していると思われるものが散見しますので、このジャンルに興味をお持ちであればお手に取ることをお勧めします。
……が、2点注意事項が。
・「前世を記憶する20人の子供」の巻頭に、バースマークの写真が複数枚収録されています。ご覧になる方によっては少々生々しく感じる可能性があります。
・博士の書籍を読破するには、相当精神を消耗します。
研究上必要な、検証対象の人物が送って来た人生の概略と、検死結果に基づく細かい死因の描写が多人数分掲載されています。
ファンタジーとは真逆に位置する内容と思って頂いて差支えありません。
「前世を記憶する日本の子どもたち」(237頁)
2014年発行 ソレイユ出版 池川 明/著
こちらは、国内産科医の方の書籍です。日夜生命に携わっておられる方ならではの言葉の数々に、いつの間にか元気を分けて頂きました。
個人的に、「過去生記憶」者と高IQ者の関係について、もう少し詳しく知りたいです。(※ジョニー・コッケルさんのお話の辺り)
「生まれ変わり」現象に関する書籍
ネコノヒゲが「生まれ変わり」と呼ばれる現象の実例(と思われる話)を知ったのは、小学生の頃。
図書館で偶々手にした本が、世界中にある不思議な出来事をぎっしり紹介しているもので、その中に掲載されていたエピソードが最初でした。
内容を引用します。
とある小さな村に生まれた少年が、言葉を話す年齢になった時、母親が聞いたこともない別の村の話を語り出したというのです。(現代のようには世間の情報が入らない時代だったと記憶)
子供によくある空想話かと、初めは微笑ましく聞いていた母親ですが、その内容が、村の名前や住民の名前、建物や生活スタイルなど余りにも具体的過ぎ、おまけに「私は以前○○という名前で、××という女性と夫婦だったが、病死で離別した」などと言っているのです。
空想話にしては妙だと思うようになり、村の誰かから何か話でも聞いたのかと確認してみましたが、村人達の答えは「そんな村や夫婦の話など、聞いたこともない。」
ますます妙に思い、村の名前を手がかりに調べたところ、何と何百kmも離れた地に、少年の言う「村」が実在。
研究者を伴い(この件も何かエピソードがあったはず)、少年と母親達が実際に「村」を訪れてみると、細部にわたって少年の話と一致。
その上、誰の案内もなく、少年は見知った風に村内を歩き、一軒の家を訪れて対応に出てきた女性を指して、「この人が私の妻です」と言い。
事実その女性は××さんという名前で、少年の口にした○○という名前の、病死した夫がいたのでした……。
何しろ人生は生涯一度きりだと聞かされていましたので、相当インパクトのある話でした。
「人間って、次また誰かに生まれ変わって、違う人生送っていくの??」と多少混乱もしましたが、自分の中にある「奇妙な記憶」の件も絡まって、「そんなこともあるかも」と割合素直に受け入れました。
これ以降「生まれ変わり」に関する書籍も手にするようになりました。
《追記》
エピソードの出所を探し始めてすぐ出合ったのが、このジャンルの権威であるヴァージニア大学のイアン・スティーブンソン(Ian Stevenson)博士の書籍2冊。バースマーク(生まれつきのアザ)に関する記述もこの方が発表していたことが判明しましたので、上記でもご紹介しています。