石川滋彦
《石川滋彦》
「清涼」「静けさ」といった形容が、かちっとはまる画家。
「水」と「緑」が好きなものですから、ここまで好みに嵌る作品は嬉しいです。
水や空、空気を描くのは難しい。
風景画を嗜む方であれば常々実感していらっしゃるかと思います。
(……絵画でなく、言葉で表現した方といえば、個人的に宮沢賢治を挙げますが)
水面の漣に、風を思う。
緑の色に、あの蒼々とした薫りを思う。
澄み切った空気の中に、鳥の囀りを思う。
1枚の絵に、目に映るもの以外まで描き切る手腕も然ることながら。
見えないものを五感で認識できる人間の感性は、素晴らしい能力だと常々思うのです。