「右脳派」「左脳派」という区別は存在しない!? 1
「右脳派」「左脳派」という表現は、いつ頃からあったのでしょう?
少なくとも、ネコノヒゲが物心ついた頃には、世間にも普通に浸透していた表現。
しかし、この表現を覆す論文が、2013年8月13日に発表されました。
( → PLOS ONE )
「休眠状態の機能的結合の磁気共鳴イメージングと脳と右脳仮説の評価」
研究チームを率いたのは、アメリカ ユタ大学(University of Utah)、ジェフリー・アンダーソン(Jeffrey S. Anderson)博士。
神経生物学。
リラックス状態で、被験者1,011名(男性587名:女性424名 年齢7〜29歳)に対し、 7,266部位の関心領域(region of interest, ROI)を設定して行う……という綿密な調査。
その結果。
「左右の脳には、確かに機能の違いはあるが、左右の半球をつなぐネットワークに、どちらかがより多く機能するという傾向はない」
……ちなみに「右脳派」「左脳派」という分け方、100年以上使われていました。
“Jeff Anderson Debunks Left-Brain, Right-Brain Theory | University ”
「右脳派」「左脳派」という区別は存在しない!? 2
右脳と左脳に機能の違い以外で差が少ないのなら。
……なぜこんなに「右脳派」「左脳派」って浸透しているのでしょう?
本当は「情報をインプットする時の形が、左右どっちのジャンルをメインにアプローチすると伝わりやすいか」ということを表現しているのでは……?
と、ネコノヒゲはつらつら考えております。
「どっちのジャンル」というのは、一般的に言われる、
左脳: 「言語脳」言語、文字、記号、計算
・言語認識
・論理的思考
・言葉や数字などの情報処理
・ストレス
右脳: 「イメージ脳」音楽、図形、絵画、立体、パターン認識
・イメージ記憶
・直感、ひらめき
・空間処理
・アナログ的
・芸術性、創造性
・リラックス
のような、左脳・右脳の大まかな得意分野のこと。
書籍でご紹介している「数学のおもちゃ箱」の中にも、ちょっぴり紹介されていて嬉しかった「バタフライ曲線」を引き合いに出してみますね。
こっちの式は、極方程式。 これが、バタフライ曲線。
書籍には載っていませんでしたが、
こっちはパラメトリック方程式。
左の2種類の方程式と、右の曲線。
お分かりでしょう……実はどちらも同じもの。
表現が、式かグラフかの違いだけ。
左脳側が理論、右脳側が感性と大別するなら、
「どっちに目が行って、より興味が沸くのか」という捉え方。
式に目が行くなら、どちらかというと論理的に思考する「左インプット=アウトプット」タイプ。
ちょうちょに行くなら、感性・感覚の「右インプット=アウトプット」タイプが多いように思います。
(……もちろん、時折「左インプット→右アウトプット」「右インプット→左アウトプット」系の方もお見受けしますし、断言はできませんけれど。)
データ取っていませんが、実はネコノヒゲ、日常でこの「インプット→アウトプット タイプ」を活用しています。
例えば、仕事でプレゼンテーションをする時等、最も理解してもらいたい聞き手のタイプが分かっていれば、表現を少し変えます。
具体的には、
・左脳側インプットタイプの方に対するプレゼンは、論理重視
・右脳側タイプの方に対しては、視覚的なイメージ図を多用
といった表現だけで、内容は変えません。
でも、相手の反応を観察していると、やはり伝わり度が違うな、と感じる場合が多いです。
……などと思っていたところ、面白いサイトに出会いました。
あなたや相手が、どの「インプット→アウトプット タイプ」?
とても簡単に診断する方法をご紹介しているサイト。
診断方法はとても簡単。
トップ画面右下のnext→next→ の画面にある、指の組み方+腕の組み方+性別で判断します。
パターンは全8種ですが、10人の被験者(=知人)に自己診断してもらったところ、9人が「診断結果に納得」という回答が得られました。
(……ネコノヒゲ自身の診断結果も、つい笑ってしまう位、当てはまる箇所が)
周囲とコミュニケーションを取る時、日常あまり意識しなくても、自分自身が得意なインプット方法と同じアウトプット方法を自然に使っている方々が多いようです。
でも、脳をつなぐ左右のネットワークが老若男女に大差ないなら、どの手段で入力しやすかろうと結果は同じ。
インプットタイプの予想がつくと、より相手にこちらの意思が伝わりやすくなるので重宝しますけれどね。
で、この方法、もうひとつ活用するシチュエーションがございます。
……そう、恋愛コミュニケーション。
「自分の言いたいことが、相手にうまく伝わらない」
「相手の言い分が意味不明で、ケンカばかりする」
「右脳派と左脳派だから、考え方が合わない」
とお悩みの方々。
……お互い、自分の得意なアウトプット方法だけでぶつかっていませんか?
表現のしかたが違うだけで、案外同じことを言っている場合だってあります。
「式」と「ちょうちょ」みたいに、見る角度を変えてみたら、何かが変わるかもしれません。