クリプトス(Kryptos) =まだ解けていない暗号= その2
K3の解き方
K3は、転置式暗号になっています。(《THE KEY》は使いません)
転置式は、平文(=解答の文)を並べ替えて暗号化するもので、ランダムの短文例なら
〈平文〉ネコノヒゲ アンゴウカ → 〈暗号〉ゲカノアネ ヒウンゴコ
(外科の姉 悲運5個)
のようになります。
平文が長文の場合、復号手順が面倒になるため通常は並べ替えに規則性を持たせていますし、K3も規則性があります。
K3の解答です。
“SLOWLY DESPARATLY SLOWLY THE REMAINS OF PASSAGE DEBRIS THAT ENCUMBERED THE LOWER PART OF THE DOORWAY WAS REMOVED WITH TREMBLING HANDS I MADE A TINY BREACH IN THE UPPER LEFT HAND CORNER AND THEN WIDENING THE HOLE A LITTLE I INSERTED THE CANDLE AND PEERED IN THE HOT AIR ESCAPING FROM THE CHAMBER CAUSED THE FLAME TO FLICKER BUT PRESENTLY DETAILS OF THE ROOM WITHIN EMERGED FROM THE MIST X CAN YOU SEE ANYTHING Q (?)”
※ 太文字の A → E に変えると単語の意味は通じますが、詳細は下記にまとめます
では解読手順です。
@ 《THE CODE》のK3の暗号を抜き出します
※ 「?」とグレー部分のK4は省きます
A 横の並び順はそのままで、24×14のマトリクスに並べ直します
B 並べ直した24×14のマトリクスを、右90°回転させます(文字の縦横は揃えています)
C Bの文字を、横の並び順はそのままで、8×42のマトリクスに並べ直します
D Cの8×42のマトリクスを、さらに右90°回転させると、解答が現れます
K4の暗号や 今後の解読にまつわる あれこれ
K4ゾーンの暗号解読方法は、現在のところ不明です。
しかし熱心なファンにより、今後解読の手掛かりになりそうな箇所が指摘されていますので、ここでは未確定情報も込みでまとめます。
未解読のK4の暗号:
OBKR
UOXOGHULBSOLIFBBWFLRVQQPRNGKSSO
TWTQSJQSSEKZZWATJKLUDIAWINFBNYP
VTTMZFPKWGDKZXTJCDIGKUHUAUEKCAR
★ K1〜K3がクラッキングされた時点で「K4のパートは97文字構成なのか、98文字なのか」という疑問が相次いだのですが、結局サンボーン氏により「K4は97文字構成」と説明されています。(=K3とK4の間の「?」は、K3寄りの扱いということ もしくはエリアの区切り?という謎も残っています)
★ K1の解にある、IQLUSIONのスペルミス
平文 Q → L に変えると意味が通じます。(=暗号文の「K」に当たる文字)
★ K2の解にある、UNDERGRUUNDのスペルミス
平文 U → O に変えると意味が通じます。(=暗号文の「R」に当たる文字)
★ K3の解にある、DESPARATLYのスペルミス
平文 A → E に変えると意味が通じます。(=暗号文の「L」に当たる文字)
★ 同じくK3の THE CODEの表記
最初の7文字「ENDYAHRO」の部分が、彫刻本体では、他と表記の仕方に違いが見受けられます。
正確には
のように、Dの後ろとOの前に半角スペースが入り、YARが上付きになっています。(K3の解Dで小文字にした3つ)
そして、THE CODEの同じ列末尾では、何故か1文字だけ「L」がはみ出していて。
……しかし、この列にだけある表記の仕方とはみ出た「L」の関係は分かっていません。
以上のことから、K1〜K3のスペルミスは、K2で欠落させた「X」同様意図的なものであり、K4の解読時のキーワードにもなっているのでは?という推測がなされています。
★ Mengenlehreuhr(ドイツ語で「集合論時計」)又は Berlin-Uhr (Berlin Clock/ベルリンクロック)
2014年11月20日付のニューヨーク・タイムズ紙で、サンボーン氏はCIAにもう一つの手掛かりを提供したことを発表しています。
それは、2010年に明かした解答の一部「NYPVTT」=“BERLIN”に続く文字「MZFPK」が“CLOCK”であるという内容です。
When asked whether his new clue was a reference to this Berlin clock, Mr. Sanborn, sounding pleased, said , “There are several really interesting clocks in Berlin.”
He added, “You’d better delve into that particular clock,”
ベルリンクロックは、ドイツにある世界初(1975年)の公共時計の名称であり、また、彫刻が制作されたのがベルリンの壁崩壊の翌年でもあることから、これらの関連も推測されています。
K4をクラッキングする強者は、いつ、どこの国から現れるのか。
とても楽しみなのです。