傷のあるりんごは甘くなる 《味覚狩り》
いちご狩り・みかん狩り・ぶどう狩り……etc.
摘みたての旬の果物を、摘んだその場で味わい、又はお土産にする醍醐味は格別ですね。
ところで、果樹園いっぱいに鈴なりの果物達。
いざ取ろうと見回した時、「一体どれが美味しいんだろう?」と悩みませんか?
プロの方なら一目瞭然なのでしょうが、狩人は素人集団ですから、あれこれ考えてしまいます。
果物によって、見分け方は様々ございますが、ここでは美味しい(=糖度の高い)「りんご」・「ぶどう」・「梨」の見分け方をご紹介。
《りんご》
ポイント@ : りんごのお尻が黄色い
りんごの熟し具合は、表面の赤の濃淡で判別しがちですが、同じように赤い時は、お尻側を見ます。
青い時はあと少し、黄色い時は良い具合に熟しています。
ポイントA : りんごの表面に、すり傷がある
スーパーに並んでいるイメージからだと、ちょっと意外に思われるかもしれませんが、他のりんごより熟すスピードが上がっているのです。
これには理由がございます。
りんごは、表面に傷ができると、傷口から水分が蒸発して干からびやすくなり、成長が妨げられてしまいます。
そのため、エチレンというガス物質(=炭化水素)を発生させ、早く熟して種子を残そうと頑張ります。
……つまり、同じ果樹園で生まれ育っても、すり傷のあるりんごは、早く大人になろうと努力した「精鋭達」。
「まるで人間のようだ……」と、ネコノヒゲはしみじみ思うのです。
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ご参考までに、同じ果樹園で同日取った、傷なしりんごと傷ありりんごの糖度の計測例を。
傷なし → 12.5度前後 傷あり → 16.5度前後
ポイントB : 雨の少ない年の果物は美味しい
Aに共通する理由で、果物が子孫存続の危機感を感じて早く熟します。
甘くて濃厚なトマトも、水の量を調節して育てる農家様がいらっしゃいますね。
《ぶどう》
ぶどうを狩る時は、ひと房にぎっしり実がついていないものを選ぶのがポイントです。
ひと房に行き渡る栄養は、どの房も均一。
……ということは、「なるべく粒が少ない方が、一粒ごとの栄養量が多い」!
《梨》
梨を観察していると、表面がザラザラの子・ツルツルの子がいます。
この場合、「ツルツルの子」の方が、熟しています。
梨の表面のザラザラ(=茶色っぽい斑点)はコルク質で、皮の表面を覆う役目をしています。
このコルク質は、食べ頃になると自然に剥落していきますので、ツルツルな方が、より熟し方が進んでいます!
ちなみに、大きさから見た時は、より大きいものを選ぶとジューシーです。
《ご注意》
上の選び方は、その場で食べる・早い時期に食べるのを目安にしています。
お土産・宅配便等、食べるまでに少し時間を置く予定でしたら、熟すまでの時間を考慮して選ぶ方が良いです。