母さんがどんなに僕を嫌いでも
人は誰も皆……大小問わず、心に傷を負っていると思うのです。
知能を備えた「人」として生まれた以上、望む望まないに関わらず逃れられない「宿命」。
時に、傷の深さに悲鳴をあげ。
時に、心の隅に痛みを封じ込め。
時に、周囲を己の痛みの嵐に巻き込む。
これが「人の姿」。
でも「宿命」は、ここで終わらないからこそ与えられているのかな?と感じることが多々あり。
この本にも、その匂いをかぎ取りました。
決して暴きたくなかったであろう己の傷を、もがき乗り越えて発信した強さ。
それに呼応するのは、同じ傷の痛みを分かち合い、包み込む受信者であり。
……今も痛みに立ち尽くし、前に優しく押してくれるきっかけを待つ者の背中。
でも、決して「傷の舐め合い」ではなく。
発信と受信が起こす、プラスの力が潜む本。
ネコノヒゲが昔読んだ漫画の中で、今も座右の銘にしている台詞があります。
※「え、ここで漫画出す!?」と思わないでくださいね。
「母さんがどんなに僕を嫌いでも」も、漫画進行ですので……。
「そういえば
傷のあるりんごは甘くなるってきいたけど」
「へえ?
ほんとに?
なんで」
「さあ?
りんごが努力するんじゃねえの」
格言でも何でもない、ただのワンシーンの台詞。
でも。
傷が多いほど、努力して味わいも深みも増すのなら。
傷があるのも悪くない。
むしろ、良い。
いや……相当良い。
綺麗な見た目で味がイマイチのより、食べて美味しいりんごの方が好きです。
ネコノヒゲには大した傷はございません(=人生経験が貧弱)が。
「努力するりんご」を目指したいと思っております。
関連記事? → 食品「傷のあるりんごは甘くなる」
この本の著者、歌川たいじ様のことを知ったきっかけは、この方のブログ。
(どうやって辿りついたのか、どうしても思い出せないのが口惜しい……)
ブログタイトルと内容のインパクトに驚きましたが……。
心が疲れた時拝見すると、つい吹き出したり、しみじみしたり。
歌川たいじ様のお人柄がにじみ出ています。
ご本人と周囲の方々の魅力にハマってしまい、毎日こまめに覗かせて頂くうち、気がつけば早数年。
そんな歌川様と、週1回お会いできる機会がございます。
「タックスノット」という、新宿2丁目にあるお店に、月曜日にヘルプで降臨されるようです。
※ もう数年前でしたら、毎週お邪魔しに行けましたのに。
一時期、徒歩で行ける距離に潜伏しておりました……。
《追記》
手持ちの蔵書にサインを頂く機会を狙っておりましたが、先日念願叶いました。
歌川たいじ様の手は、大きくてふわっと温かいです。