ヘンリー・ダーガー 非現実の王国で / 非現実を生きる
「 ヘンリー・ダーガー 非現実の王国で」
2000年初版
著者: ジョン・M・マグレガー(John M. McGregor)
訳者: 小出由紀子
発行所: 轄品社
144頁
「ヘンリー・ダーガー 非現実を生きる」
2013年初版
編著: 小出由紀子
発行所: 兜ス凡社
151頁
ヘンリー・ダーガーが自身のために創造した「非現実の王国で」を深く知るためには、「現実」での彼のも同時に知る方が断然理解しやすいと思います。
何故なら、「非現実」と「現実」は綿密にリンクしているから。
こちらの2冊は、併せて読むとより分かりやすかったですが、「非現実を生きる」の方にやくしまるえつこ様の詩が掲載されており嬉しい驚きでした。
「世界最長小説」とうたわれているにも関わらず、「非現実の王国で」は世に出回っていません。
どうしてかな……と思いましたら、
「ヘンリー・ダーガーが、自分の書き込みたい箇所を重点的にだらだら書き綴っていて、研究者でも読むのにうんざりする部分が非常に多い」
=長い割に面白くない部分が多い、と。(身も蓋もない理由でした)
……でも、それでいいと思います。
「読んでみたい。でも、かといって世に出回っていて欲しくない」というポジションはそのままにしておくのが最も良いかと。
何しろ、もともと他人に読ませるために編んだ作品ではないのですから。
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