双子の子トラ「瞬」と「永遠」

※思い出話、一人語りver.

 



 

学生時代、足しげく通っていた雑貨屋さんに、新商品が入荷していました。

 

手の平半分にも満たないサイズの、ちっちゃな子トラのぬいぐるみが2頭。

 

 

面白いもので、同じ型から作った量産品にも関わらず、はっきり顔に個性が出ており。

 

初めは、1頭だけ……と心に決めたのですが。

 

散々悩んだ挙句、どうにも選ぶことができないと諦め、結局2頭とも購入。

 

 

家に帰り、机に置いて、しばし心の交流。

 

 

凛と頭を上げ、悪戯っぽい表情の子には「瞬(しゅん)」。

 

心持ちうつむき加減の、内気そうな子には「永遠(とわ)」。

 

そう名付けました。

 

 

 永遠の一歩と、瞬間の蓄積は、表裏一体。

 

 日々の瞬間なくして、永遠は紡げない。

 

 永遠を紡ぐ目的なくして、瞬間の意義はなし。

 

 

2頭を眺めているうち、突如そんな言葉が心に降って来たので、こんな名前に。

 

 

トラに限らず、動物園で生まれた動物は、飼育員の方々に手厚く保護されるため生存率は高いと思われますが。

 

実際の自然界では、食物連鎖の兼ね合いと、優秀な遺伝子存続の為に、(種によって違いはありますが)一度の多頭出産のケースは比較的少なく、特に双子のトラは2頭が揃って成獣になることも稀なようです。(虚弱体質の子は、育児放棄されてしまうこともあるのです……)

 

動物園の出産シーズンになると、時折双子のトラやヒョウの赤ちゃんがニュースになります。

 

その無邪気で愛くるしい仕草を見るにつけ、「瞬」と「永遠」のことを思い出し、「頑張って大きくなれよ」と、毎回小さなエールを送っているのです。

 

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