世界一辛いトウガラシ
世の中、激辛好きは多けれど。
「世界一辛い唐辛子(トウガラシ)」……どれ位の辛さなんでしょう?
その前に、トウガラシの辛さを測る値のおさらい。
単位は「スコヴィル“Scoville”」。
アメリカの薬理学者のウィルバー・L・スコヴィル氏のお名前から取られています。
単位の基準は、現在は、含有するカプサイシンの量を測定した値が主流。
タバスコが大体600〜1200スコヴィル。
「ハバネロ」=最大35万スコヴィル(タバスコの291倍 ギB)。
「 ブート・ジョロキア 」=最大100万1304スコヴィル(タバスコの834倍 ギA)。
ここで、「世界一」の称号に関して補足を。
ギネス・ワールド・レコーズ認定はひとつの目安ではありますが、実際には
・現在ギネス認定されている品種
・新しく栽培に成功し、ギネスに申請中の品種
・「作り方が明確でない」ために、ギネス申請しても登録までたどり着けない品種
など、様々あります。
トウガラシのギネス申請数がものすごく多いため、認定作業が全く追いついていないそうで(汗)
「スコヴィル値が高いのにギネス世界一じゃない」品種も複数存在しますので、ここでは注釈記号を付けています。
(例: ギB=ギネス認定 第3位 実B=スコヴィル値上 世界第3位)
本題に戻ります。
現時点で、ギネス世界一のトウガラシは……。
「 トリニダード・スコーピオン・ブッチ・ テイラー“Trinidad Scorpion Butch T”」。
2011年認定の、146万3700スコヴィル(ギ@)。
しかし、ギネスに君臨するブッチ君を(実D)に追い落とす刺客が、続々登場しております。
ギネスレコードを更新すべく、ニューメキシコ州立大学 唐辛子研究所が2013年に発表した品種が、「チョコレート7(セブン)ポット」(実B)。
可愛らしい名前とは裏腹の、最大185万9000スコヴィル。
続いて「トリニダード・スコーピオン・モルガ“Trinidad Scorpion Morouga”」(実A)。
最大200万9000スコヴィル。
ついに催涙ガスレベル到達。
※某番組で、飲食店店長vs激辛平気な常連客の対決に、このトウガラシでペペロンチーノを作っていましたが、調理の段階で、作る店長も撮影陣も尋常でなくなった上、香りが漏れ出た店外の通行人にまで影響しておりました。
そして……。
2013年現在、実@の覇者。
「キャロライナ・リーパー“Carolina Reaper”」!!!
スコヴィル値、遂に300万オーバー。
キャロライナ・リーパー記事(原文)
サウスカロライナ州で、心臓病や癌の抑制を研究する目的をメインに、Ed Currie氏が栽培しているそうですが、今のところカプサイシンと病理との関連は未解明。
……しかし「Reaper=死神」とはまた、病魔を払いたいと願う想いに沿ったネーミングですね。
トウガラシパワーは、一定の数値を超えると、食以外の物凄い用途を生むのかもしれません。
世界一の称号を目指し、トウガラシ界は日々邁進しているのです。
小話:「ニューヨークに行った時、オフィスで紹介されたボスが辛党だった」