銀河鉄道の夜

 

 

 宮沢賢治の代表作の1つ。

 

 同級生カンパネルラと共に巡る「死後の世界」が、幻想的に、そして少し

 

 物悲しく描かれています。

 

 

 

 

 

 



 

相当引き込まれた物語でしたが、特に、初見からずっと印象に残っているシーンがあります。

 

それは、ジョバンニが触れた、銀河の水の描写。

 

「……ジョバンニは、走ってその渚に行って、水に手をひたしました。けれどもあやしいその銀河の水は、 酸素よりもまだ軽く、 そのきれいな水は、ガラスよりも水素よりも透きとほっており、それでもたしかに流れてゐたことは、二人の手首の、水にひたったとこが、少し水銀いろに浮いたやうに見え、その手首にぶっつかってできた波は、うつくしい燐光をあげて、ちらちらと燃えるやうに見えたのでもわかりました。」

 

 

溜め息の出るような、繊細な描写。

 

音に例えるなら、ウィンドチャイムのような。

 

現実に存在しないものだけに、尚更イメージが増幅されます。

 

 

触れても分からない軽さの、限りなく透明な儚い水。

 

手首の波で出来た燐光が、唯一その存在を知らせる。

 

一度でいいから、銀河の水に、手を浸してみたいです……。

 

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銀河の水?

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銀河の水のことを考えていたところ。
イメージにある程度近そうな画像を発見。
長崎県島原市にある、「湧水庭園 四明荘」。

 

 

鯉が空中に浮いているように見えるのは、余り
にも透明度が高いからだそうです。

 

湧水とのことですので、温度描写のない銀河の
水とは違い、恐らく涼やかに冷たいでしょう。
……ちょっと触れてみたくなりました。


 
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