The Man Who Fell to Earth/ 地球に落ちてきた男
「地球に落ちて来た男」
1976年(イギリス/アメリカ)
監督: ニコラス・ローグ
出演: デビッド・ボウイ、キャンディ・クラーク、バック・ヘンリー、
リップ・トーン
ジャンル: カルトSF
愛する家族を故郷の星に残し、水を求めて地球に不時着した、一人のエイリアン。
地球環境と馴染みにくい体質もあったが、何とか順応する術を身に付け。
しかし故郷の妻子を失い、それでも地球に留まざるを得ない。
地球で恋愛もする……しかし、流れる時間は、地球人のそれとは異なり……。
この時差の切なさを例えるなら……と考えた時、真っ先に「夏目友人帳」を思いました。
(出典は漫画です&彼らはエイリアンではなく妖怪系)
※両作品の発表年代の時差は無視してください。私自身が「時渡り」感覚の持ち主なので()
同じ時間を共有しながら、一方で、全く別の事に思いを馳せている者同士。
そして、同じ歩幅で歩めない者同士が共有する、刹那。
映画の中では異邦人として極端に描かれていますが、実は、誰もが日常の中で小さく体験していることではないかと思うのです。
例えば、同じ文化の下、近しい生活環境を共有しながらも、決して相容れない種類の人々……。
個人的にですが、コンタクト(?)を外すシーンが、記憶の隅に、棘のように刺さって抜けないのです。
様々な「心のフィルター」の象徴のような気がして。
彼は今も彷徨っているのでしょうか。
彼の旅に、終わりは来るのでしょうか……。